精神力で止めようとするな!
「禁煙は難しい」よく耳にし、多くの喫煙者もそう思っていて、これは社会の通説です。 しかし、私もそうでしたが、思っていたよりずっと、禁煙は、簡単でした。 辛いといわれた、3ヶ月しても半年経っても、禁煙当初に仕入れた禁煙伝説を自覚することなく、 現在に至っています。
しかし、ある朝、突然タバコが嫌いになり、吸わなくなったわけではありません。 そんな宇宙人に連れ去られたような話しではなく、それは、冷静に、タバコと向き合う事が出来たからです。 現実を直視し、喫煙の利点と欠点を比べて見ると、分かりきった答えが導き出されます。 それは、「禁煙」です。
私が禁煙を始めるにあたって一番注目していたのは、禁煙初日です。 それは、禁煙初挑戦だったため、禁断症状がどれくらい苦しいのか経験した事がなく、 自分に我慢できるかどうか不安で仕方がなかったからです。 そして、1日目をクリアできたら、同じようにすればいいだけなので、その先は、かなり楽観視していました。 その注目の初日を終えた感想は、日記(2002/9/9)にも記していますが、まったくの拍子抜けでした。
ここから私の思い込み作戦は、幕を開けました。 単純に、1日出来たのだから次の日も出来ると自分に言い聞かせ、 禁煙前の不安や洗脳を新たな洗脳で上書きする作戦です。 そこには、我慢とか根性など存在せず、意志が弱いとか強いとかも問題にせず、 冷静に、上書きを繰返すのです。
我慢や根性には、その日のうちでもムラがあったり、気分次第で限界が異なりますが、 洗脳の上書きは、ある種、機械的な作業であるがために、効率は良く効果も約束されています。 それでも潤滑油としての自分へのご褒美や自分を信じる頑固さは、最低限、御用意して頂きたいものです。
私が最も共感した部分と言ってもいいですが、本書にも、 禁煙を始める前の頭はすでに社会に洗脳されていますし、ニコチン依存症がそれに追い討ちをかけてきます。 さらに「禁煙は難しい」という他人の経験談でもっと強力に洗脳されてしまうのです。と書かれている。 そして、禁煙したときに感じる惨めさは、身体的禁断症状とは関係ありません。 本当の苦しみは心の中にあり、それは猜疑心と不安感によって生み出される。と続いています。
よく掲示板でも「いつになったら、吸いたくなくなるでしょうか?」と相談されますが、 そんな不安感がいつしか禁煙の失敗を招くのだろうと思います。 今後、どれほど待ってもタバコの方から吸いたくない情況を作ってくれることは絶対になく、 最後の一本を吸った時から、タバコを吸わない人生を選択した自分を信じ自らが解決していかなくてならないのです。 そして、長年に渡って身体に悪く臭くて不味い煙を吸い続けた人なら、当然それが出来るのです。
また、「1本だけ」という吸い方は、ありません。あれば、当の昔からやっています。 「ちょっと1本くらいなら・・・」は、あなたの心から拭い去られるべき神話だと本書にも書かれています。 元々は、誰でも1本から始まったのですからね。もうタバコは必要ないと確認する1本も同じ事だそうです。 これらは全部タバコを吸う言い訳です。「吸いたい」と思ったら巧い言い訳も思い付くものですね。
しかし、侮ってはいけませんよ、この「一本お化け」を。 ちゃんとあなたはドラマや映画で洗脳済みでして、 主人公が久しぶりのタバコを旨そうに吸うシーンを何度か見たことがあるでしょう。 順調に禁煙を続ける事ができていたのに、この一本ですべては台無しになるのです。 この誘惑に負けていては、いつまで経っても、元の健康な身体に戻れません。 すべては、1本から始まったことを肝に銘じておきましょう。
禁煙を今までの固定観念や先入観で判断するのは、愚かなことなのです。 私も禁煙前は辛くて難しいと思い込んでいましたが、 1年経って振り返ってみると、想像より遥かに簡単であったし、 日々の小さな誘惑に勝ち続けることで自分に自信も持てたし、 何より、どんな禁断症状が襲ってくるのか妙に楽しんでいたように思うほどです。 そして、一番大切な元の健康な身体を取り戻す事ができた喜びは、 本当に、タバコを吸っていて良かったと思ったくらいです。 >>続きを読む
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